テレビで歌うことを 僕は否定しません
確かに そこには膨大な権力が存在し
番組という名が優先され 個性を抑えつけ
表現したい音をも消しとってしまう
視覚面だけが誇張され 誤解を生み
虚像があたかも実像のごとく映し出される
しかし それも 基は誰かが作ったもので
改善不可能なものではないはずです
アーティストたちが もっとその問題に
挑戦していけば 少しづつ良い方向に
もっていけるはずです
往年のロックアーティストも テレビの必要性は
充分知っているはずなのに
それによって 自分が作り上げてきた世界が
くずれていくのを恐れて
誰も取り組もうとはしない
自分が安泰としていられるフィールドの中だけで
拳をつきあげる
だけど僕たちは もう違うはずです
彼等が逃げるのなら
僕たちがやらなければいけない


1985 May Koji Kikkawwa