■ 1987.7 K2
好きな気持うそじゃないのに
変われない僕がいた

君の白ユリのように 淡くやさしい
澄んだほほえみを抱きしめることができない
だって このままじゃ すまない!
もし僕が抱きしめれば
にじんでく 曇ってく 枯れてゆく
ナイフは花に近づけない
壊れたナイフは 錆びている
強いナイフは 切れすぎる

女は「強い」「だいじょうぶ」「ちゃんとしてる」
そんな気持ちは
十分僕の中にも存在しているけれど
このシチュエーションでは役にたたない
もっと ちがうリアルがある
もっと 大きなギャップがある
ナイフは花を恐れている
雨の日に外を歩けない
晴れた日には すぐ熱を出す

多分 僕は 怖かった
君があまりにも純粋で
手のひらがあまりにも小さくて
手をつなぐと 壊してしまいそうで

好きな気持ち うそじゃないのに
変われない 僕がいた

暗い日があった
大きな さよならが あった
はじめて 自分を いやな奴だと思った

でも そして 新しい僕を見た