■ 1987.12 K2
慰められてばかりいる人
景色に季節に仲間達に…街に…夢の中に…


自分を詩の中の主人公にすりかえてくれるよ
うな
深く悲しいスローナンバーを聴きながら
頭の中にそのシチュエーションを描いて
悲劇のヒーローに溺れながら
なりきりながら涙する

思うことはひとつ「しかたないじゃないか」


いつも いつでも やさしく触れてくれる
甘い女の吐息の中で
いろいろな想いを消され
ただ疲れ果てた棒人形と化す
肉体だけが力を増し

言うことはひとつ「愛しているよ」


自分の言葉を持てなければ持てないほど
酒を仲間に引き込んで大口になり
弱ければ弱いほど 長く話をしたがって
呆れられたあげくの果てに

きたない血をトイレにぶちまける


例をあげればきりがない
毎日 毎晩 増えていく
女女しい男 情けない男 力のない奴
バカな奴 
そんな奴等は好きじゃない
そんな最低はごめんこうむりたい

ただ
そうなんだけれど
僕の中でもすべて見覚えのある景色
頷ける余韻 
すっぽりあてはまる心臓の型 大きさ
誰だって そんなに偉かないさ
そんな神様みたいな奴は強くないさ
ただ
そうである奴と そうでない奴の違いは
それでもやろうとするか しないかで
手段を持っているか 持っていないかで
形を持っているか 持っていないかで
元気であるか そうでないかで

そんなところで決まってくる

例えば今の僕だったら そんなことは考えな
くてもいいと思ってしまう
昨日までとか 明日からはどうなるかあから
ないけれど

例えばそれはなぜかというと

例えばそれは

すっげえいいALBUMをつくってしまった
こと 

                KISS’×××
                LOVE×××