| −−プロフィール−− "ハービー"は、中学生の時の愛称。 ロンドンに10年間住んでいる間も、この愛称でよばれていたとのこと。 そのロンドンでは、ボーイ・ジョージ(カルチャー・クラブ)、ジャパン、デビット・シルビアンなどの外国ロックアーチストの撮影をはじめ、老人や子供をテーマにした写真集、セッセイも発売中。 日本のミュージシャンでは、ロンドンでレコーディング中であったモッズ、ストリート・スライダーズ、BOOWYも撮っていますが日本のミュージシャンをこれだけ長時間に渡って撮り続けたのは、今回が初めてということです。 吉川さんに対しては「黒いコートとサングラスの似合う男」「生意気な青年」という先入観がありましたね。 会ったばかりの頃は、お互いに人見知りをしていたけれど、僕が若い頃冒険してた話をしたら吉川さんも「僕も、もっと冒険しなくちゃいけないと思うんだよね。」って。 そんふうにボソボソ話したりしていくうちに、吉川さんの気さくな好青年っていう人間像に触れてとても感動しました。 この写真集のテーマは、「吉川晃司をフォーカスする」ということだったんですけれど、僕の写真のスタイルは、ドキュメント風の演出のない"生"の姿・形であるし、吉川さんの人間性とステージでのクールさを表現したいと思ったんです。 そのためにはお互いの信頼感が必要。 カメラを意識しない素朴な表情を撮るというのは隠しカメラを使ったり、僕自身が隠れたりするのではなくて、例えば親しい友達がカメラを持っていていつの間にか撮っていた、みたいな撮られ方の安心感から生まれるものなんです。 行く先々に僕がいるわけだし、吉川さんに信頼感がなかったら、カメラを意識しない写真は撮れないですよ。 でもね、いくら自然なところを撮るにしても、『吉川さん、写真撮られるの嫌そうじゃないかな』『僕は仕事だけど負担になったら困るなあ』なんて、「僕も一緒に、スーパーに行っていい?」とか聞いてる時でも、ずっと思ってました。 ローマでね、ちょうど僕の誕生日にパーティをやってくれるというのでピアノ・バーに行ったんです。 その時吉川さんに「僕さあ、『Rainy Lane』好きなんだけれど歌ってよ。」って言ったら、「楽譜、忘れちゃったかもしれないけど。」って言いながら歌ってくれて……。 その歌とピアノの音がお店の雰囲気にマッチしてとても素敵でした。 そのあとに、ディスコに行った時も僕が少し疲れた顔して座ってたら、「ハービーさん、一緒に踊りましょうよ。」って言いながら、僕の手をとってダンスフロアーへ連れていってくれて、二人で向かい合って踊りましたよ。 それと、僕はまだ結婚してないんですけれど、「ハービーさんの結婚式の時は、僕が作詞で(BOOWYの)布袋が作曲して曲を歌ってあげるから、呼んでくださいよ。」なんて言ってくれて……。 時には、僕のスキを狙ってズボンを脱がそうとしたり、ローマで犬のフンを木の枝につけて追いかけ回したり、いたずらっ子なんですよ。 僕はそんな吉川さんを見ていて嬉しかったし、そういう人間の優しさ、温かさ、素朴な美しさを伝えられたらいいなと思います。 |