Vol.18  1987.6
#2




'87 BIG CITIES CIRCUIT  解体へのSUGGESTION
8・9 BIG ONE NIGHT またあの熱い夏がやってくる


白いカーテンの向こうで晃司は唄う
そして何かが起こるのかを"予感"させる
『A-LA-BA・LA-M-BA』のオープニング


ステージに対する価値観が変わってきた

−−前は結構、レコードと同じ様な音で、ライブをやってたんだけど、今回はなるべくコンピューターに頼るのをぐっと減らして、生の味を出したかった。
音数が減った分、メンバーひとりひとりの力量が出てきちゃうから、ひとりひとりが頑張んなきゃいけないけれど、その方がやっぱり気持ちいいんだよね。


音数が減った。
そして前回迄の様な、ハデな動きも少なくなった。
一言で言ってしまえば照明やセットにしても、"シンプルになった"のかもしれない。
けれど、そこには単なる"シンプルさ"ではない要素を多分に含んでいる。
とても"ナチュラル"な形。
だからこそ、『in a sentimental mood』『すべてはこの夜に』といった、ムードを加味したナンバーにも、すっと入っていけるのだろう。

−−今迄って、どっちかっていうとパワー派で押すところが凄いあったわけでしょう?
『in a sentimental mood』なんて、無理して唄ってたみたいなところがある。
『すべてはこの夜に』にしても、あの頃は、やっぱり俺のタイプの曲じゃないな、って思ってた。
メロディも大人っぽいし、歌謡曲チックだったりするところもあるから。
 でもね、すごくいい曲なんだ。
だから、東京のコンサートで、ツアーの中でも大きな場でやるっていう時に、ステージをちょっと変えたいなって思ってたから、この曲をやることにした。
全体の曲の構成の中で、どの位置に入れて、どういう風に持っていったらいいかっていうのを、勿論考えてね。


 『サイケデリックHIP』というヘビーなダンシングナンバーのあと、『in a sentimental mood』そして−−ピアノの音が会場の空気を浄う−−『すべてはこの夜に』

−−自分でも、凄い、良かったなと思ってるよ。
自分の中で変化したんだろうね。
"ステージに対する価値観"っていうのが……。


ステージの上の晃司が、この上もなく"いい顔"をしている。
今迄のような、ステージと客席のぶつかりあいを挑む、険しい表情はない。
MCが増えたのも、笑顔がこぼれるようになったのも−−晃司の中で何かが変わった。

−−前回までは、しゃべりも少なかった。
でもそれはそれでまた、それが良くなかったとは全然思ってないんだけれど……。
ツアーに入る前に話したけれども、ヒューマンな部分・人間味というか、自分自身により近いところを出したかった。
みんなにとっては、今回みたいな方が入りやすいと思う。
やっぱり『A-LA-BA・LA-M-BA』をつくってから、自分のやりたいことが全部ストレートに出来るようになってきた。
今迄は、変なところで頑張んなきゃいけないみたいなのがあったけど、そういうのって非常に馬鹿馬鹿しいよね。


『BODY WINK』の間奏部。
会場が一体となる。
こぶしを上げての「Hey!」コール。
−−1回・2回・4回・10回・20回。
晃司も、右手でこぶしを上げ、左手を腰にまわして指折り数えている。