1991/5 ARENA 37℃
#2


ロバート・パーマー
(ミュージシャン)
 本当は南方系が好きなんだけど、パワーステーション以来、頭3曲くらいでまがいもののロックンロールみたいなものやってるでしょ、ゲートかけたりしながら……あれをなんか洒落っ気でやってるのがすごい好きなの。
でも、実はすごいシャイな人なんだろうな。
それは来日コンサートを観た時に思った。
ずっと下向いたままで歌ってるんだもん。
それがまたカッコイイ。"こっち見てくれよ!"って気分だったけど。(笑)
 要するに俺って本物のブルースとかR&Rとかっていうよりかも、まがいものが好きみたい。
黒人になりたくてしょうがないっていうような白人ブルースとかさ。


デヴィッド・ボウイ
(ミュージシャン)
 あの美意識が好き。女性的な美しさを売りものにしたり、
やっぱり俺自身にはないものだから惹かれるんだろうけど。
わがままさも好き、そこは俺も似てるね。
 音楽的には「ステーション・トゥ・ステーション」とか「ロジャー」とか、ちょっと変なのが好き。
 俺、あと男のダーク・ヴォイスがすごい好きなんだよね。
ボウイから始まって、イギー・ポップ、ルー・リード……最初全くああいう声が出せなかったんだけど、どんどん出るようになったんだよ。好きになったらできるもんだね。
今回のミキサーが、デヴィッド・ボウイのアルバムに参加したことがある人なんだけど"コウジ、デヴィッド・ボウイみたいじゃん"って言ってくれて、俺は嬉しくて!
俺の自慢は、彼よりも低い声が出せること。(笑)
もう、地獄の底まで出してやるゼ。


山田太郎
(マンガ主人公)
 俺は、ほとんどマンガって読まない人間なんだけど、スタジオにあったからヒョイと読んでみたら、すごく面白くて感激した。
山田太郎といっても「ドカベン」じゃないよ。
少年ジャンプに連載されてる『珍遊記』の主人公でね。
もう、ほとんどクスリやってんじゃないかと思うようなスゴイ絵で、犯罪の香りしかしない。
そいつには会ってみたいなって思う。
 ただ、そういうのをジョークとして受け取れないとダメだね。


マラドーナ
(プロサッカー)
 野球は見るのもやるのも退屈だし、プロレスはシナリオがあるしちょっとグロテスクすぎる。
アメフトとかも、あまりにも体と体が露骨にぶつかりすぎるでしょ。
スポーツもやっぱり洒落っ気がないと好きになれない。
となると、バスケット・ボールとか、サッカーはいいよね。
ふっと、人目につかない瞬間に出る神技的なプレイがね。
それと同じようなイメージがあったから、俺は水球を始めたんだけど。
そういう系列でいうと、マラドーナはカッコイイね。


ロバート・メイプルソール
(写真家)
 肉体とか花の写真を撮る人なんだけど。
それも、花を女性器に見立てて取りとかね。
その写真集とか見てると、なんかムズムズしちゃう。
俺の場合は、単にエッチでいいな、と。
でも、それって一番大切なものだと思うよ。


チンギスハン
(歴史上の人物)
 馬に乗って大陸を制覇した、そういうイメージがあってカッコイイと思う。


坂本竜馬
(歴史上の人物)
 剣に魂が宿る、なんて言ってた時代に、剣なんかポンと放って女のところへ行っちゃうような、それってカッコイイ。
俺もきっとその時代に生きてたら、そういうタイプだったと思う。
"魂が宿るぅ?冗談じゃないゼ"みたいなさ。
それでいて、坂本竜馬は、剣を持たせりゃかなりの腕前だし、先見の明もある。いいなぁ……。


田中角栄
(政治家)
 あの人って悪いことばっかりやってたけど、いいこともやったんだよね。
それにどこか、海外へ行っても見おとりしない存在感があった。
だから、しゃくにさわるけど、好きかもしれないってかんじかな。(笑)