■ 1987.4 K2
何を思って生きているのか
何をひきずって暮らしているのか
さっきから瞬きひとつしない

思い出を悔やんでいるわけじゃない
悲しみを捨てきれないわけでもない
あるとすれば
僕を憎んでいること
今にも涙が溢れそうにうるんでいるのに
全く乾ききった、フォーカスのあわない瞳
君は何も話さない
ただ、だまったままで
ただ、僕を見つめてる
そんな顔をするのは、やめた方がいい
僕に間違いはないはずだから
いつもきちんとした気持で
いつもパーフェクトなKissで
いつも本当のやさしさで君を抱きしめていた
君の間違いにはパーフェクトの答案用紙を提
出した

そりゃあ、すれちがう事だってあるさ
けんかになることだってある
でも、そんな顔をするのはやめた方がいい
君の立場が悪くなるばかりで、僕にとっては
とてもつまらないから
君にはわかっているはずさ
君に僕が必要だって事も、大切だって事も、
僕がいなければ何もできないって事も
全てわかっているはずさ

だから僕を憎んでる
酒好きな僕を憎んでる
弱味を見せる僕を憎んでる
しゃべらない僕を憎んでる
Barのカウンターから突然逃げ出した君を
追わない僕を憎んでる
パジャマ姿の僕を憎んでる
僕のすべてを憎んでる

あきれたもんだ……まだ何もしゃべらない
ただ僕を見つめてる
こうゆう場合に、僕に飛びかかる手段さえ知
らない
本当に僕がいなければ、何もできないんだ
可哀相なくらい臆病に震えてる
ただ僕を見つめてる
だまったままで
ただ僕を見つめてる
何も言わないで


でも それでいいんだ
そうしていれば充分なんだ
僕をじっと見つめていてくれればいい
そうでないと僕はひとりで外へ買い物にさえ
行けそうにない
君がいてくれないと、この壁を飛び越えるこ
とができない
何も言わないでいい
ただ見つめていてほしい
僕も同じように震えてる
僕も君と同じように、いつも怖いんだ
だから僕を捨てないで
僕から離れていかないでほしい