Vol.15  1986.11
#4



−−高校時代は、いろいろな夢を持っていたという晃司くんですが、女の子のことで悩んだりしたこともあったんですか?
私、この前体育祭の後のクラスの打ち上げコンパで、すごく驚いたことがあるんです。
その席で、今迄ばらばらだったクラスの男子と女子がすごく打ちとけあえて、私もいく人かの男の子といろいろな話をしていたんですけど、ある男の子が好きな女の子の話をしてきたんです。
「好きなんだけど、打ち明けられないんだ」って。
そういう話を男の子からされたの初めてだったから、「ああ、男の子も女の子のことでいろいろ悩んでいるんだな」って思ったんです。

晃司−−(いきなり体を乗り出して)男の子も好きな女の子のことで悩みますよ。
僕だってあります。
中学3年生の時に、「あっ、かわいいな」って思う子がいたんだ。
その子とはめでたく、仲良くつきあえるようになったわけ。
でも、ちっとも話せないわけ、あがちゃって…。
喫茶店に入っても「今日は、なんか天気がいいねぇ。」みたいに。
一年位つきあったんだけど、僕も水球とバンドをやってたから滅多に合えなかったし電話もあまりしなかったんだ。
そしたら彼女に「あんたみたいにウジウジした人は嫌いよ」って言われちゃった。
それから一週間位さ、メシも食わずにボケーッとしてたね。
学校に行っても上の空。
あの時はショックだったなあ。


−−それから後は、女の子の見方とか変わりましたか?

晃司−−もう一度、その女の子に僕をもっとよく見てほしいと思ったね。
別に全てが情けないわけじゃなくて僕はただちょっと人と話をするのが苦手だっただけでさ。
だから頑張ったね。
もちろんそれからは僕も変わったけど、「女なんて、ひどい奴等だ」とか、そんな風には思わなかった。
1年位して、ぱったり会ったんだ、その子に。
そしたら彼女「あの時はもっとしっかりしてもらいたくて言ったのよ」って。
その時は「おー、なんて女の子って大きいんだろう」って思ったね。
もう一回つきあいたかったけど、その時はもう別に好きな人がいちゃたりして。(笑)
そんなこともありました。
今のティーンエージャーって、もっと進んでいるんじゃないのかな。
A・B・C・Dとかってよく言うじゃない?僕はその頃、かろうじてAはあったけどね。(笑)


−−ほんとうにかろうじてですか?

晃司−−かろうじて、ですよ。(笑)
立派なもんですよ。


−−自分の言葉や、何気ない態度が知らないうちに人を傷つけていたりすることがありますけど、私自身そういうことって後味悪いし、すごく嫌だなって思います。
特に晃司くんの場合は、雑誌やテレビ・ラジオを通じていろいろな人が注目しているから、晃司くんの知らないところで、傷ついたり悲しんだりしている人もきっといるんじゃないかなって思うんです。
そういうことって、すごく怖いことだと思いませんか?

晃司−−そうだね。
世の中で一番したくない事は、やっぱり「人を傷つけてしまうこと」だと思うね。
自分の知らないところで、コトが動いちゃうからね。
例えば、雑誌の取材なんかで言葉のニュアンスの違いで、全然そういうつもりでいったんじゃない記事が出たりすることはよくあるよ。
取材をやってもいないのに記事が出ちゃったり、矛盾もたくさんあるね。
だからといって、僕の信用できる人しか取材しないというわけにもいかないでしょ。
決まった人とばかり話していたら、いつも同じ話になっちゃうし。
だからどうしても誤解されやすくなる。
僕が何気なく言ったひとことが、横で聞いている人には「何て奴だ」って思われたり、「吉川晃司はこうなんだ」って誰かが言ったら、それがパーッと広まってしまったり。
ほんとうに怖い世界だと思いますよ。