TAKE IT EASY Story
scenario #5

牧場の入口の看板
     KO牧場


牧舎の中にあるボクシングコーナー(サイロと反対側にある)
     屋根付きの空き地に、サンドバッグをつるしたり、
     手製のリングを作ったりしてちょっとしたジムになっている。

裕司  「11連続?」
仲根  「KO勝ち」
裕司  「12戦目は」
仲根  「1R24秒KO負け」
裕司  「(ガクッと)派手ですね」
仲根  「判定と引き分けに持ちこんだ試合がないのが自慢だな」
裕司  「KOするか、KOされるか」
仲根  「そういうこと」


牛舎の通路
仲根  「しっかし、世界にはマジ強えー奴がいるんだよな。マイったよ、
      体つきなんか変わんないのにさ。ぶっ倒された相手があんなに
      強くなかったら、もう一度カムバックしてやるなんて考えなかったよな」

裕司  「本気で?カムバック」
仲根  「のつもりですけどねェ」


仲根の部屋
裕司  「じゃ、なんでこんな所に?」
仲根  「……なんでこんな所に?」
裕司  「(考えて)……空。見たくってな」
仲根  「それだけか」
裕司  「あと、こっち来りゃ、死ぬかもしれないって言われた」
仲根  「面白いじゃない」
裕司  「な」
仲根  「先、急ぐのか」
裕司  「別に」
仲根  「こっち来いよ」


牛舎
     乳絞りの仲根。
     手伝わされた裕司−−−慣れぬ手つき。
裕司  「ね、本当にカムバックするつもり?」
仲根  「ああ、世界を狙う」
裕司  「こんなことやってても、世界は遠いような気がするけどね」
仲根  「なんかさ、ボクシングに役立つことばっかりやってても
      ダメなような気してさ(裕司の方を見る)」

裕司  「……?」


放牧場
     裕司に乗馬の手ほどきをする仲根。
     最初はずっこける裕司も、すぐにうまくなる。