TAKE IT EASY Story
scenario #7

BAR「K・CAN」−−中
     中年のバーテンがひとり。池谷。
     仲根と裕司が入ってくる。
池谷  「……」ジロリと見る。
     仲根、店内の階段の上を見上げて、
仲根  「やつらはどこにいる」
池谷  「ライブは?」
仲根  「まだやってないだろ」
池谷  「もうやってるよ。今夜から久しぶりにマキュウだ」
仲根  「道理で。どこも早い店仕舞いだ」
裕司  「ビール」
     池谷、ビール缶を1本だけ裕司に滑らせる。
仲根  「俺は?」
池谷  「ちょっと肉ついたぞ。減量、減量」
仲根  「うるせェ。親切とお節介は紙一重だぜ」
     仲根、缶ビールを振ってプシュッと開ける。
     吹き出す泡、缶を池谷に投げる。
裕司  「……」
池谷  「警察呼ぶぞ」
仲根  「呼べよ」
     裕司を連れて出口へ。


表の看板「K・CAN」
仲根  「あいつ現職の警官。暇な時店やってるんだ」
     その看板の下。出ていく仲根と裕司。


倉庫街通り
仲根  「本当はあいつのヨメさんの店。
      ヨメさん、東京出て、流行歌手になってさ……レコード出した
     らしいよ、1枚だけ」

裕司  「警官の奥さんが歌手ねェ」
仲根  「恥ずかしくないのかな、歌手なんて」
     歩いていく2人。
裕司  「ねェ、警官が言ってたマキュウって何?」
仲根  「これから連れてってやるよ」


ライブハウス「ロスト・チャイルド」前
     ライブハウスの前のポスター。
裕司  「ひむろまゆみ?」
     券を買って中に入って行く。