TAKE IT EASY・EXTRA Story

scenario2 #7
第四稿(月刊シナリオ・シナリオ作家協会版)

町(夜)

     小じんまりとしたシャレたストリート。
     ラフな遊び着できめた裕司と仲根が歩く。


青井モータース・前

     バイクショップの店。
     閉じたシャッターを蹴る仲根。
仲根  「やつらのアジトはいろいろあってな」
     見守る裕司。


北海ボクシングジム・前

     閉じた通用門をこじあけようとする仲根。
     見守る裕司。
仲根  「クソッ。俺が来るの知ってるクセにどこでつるんでやがるんだ」


BAR「K・CAN」

     中年のバーテンが一人。池谷。
     仲根と裕司が入ってくる。
池谷  「……」
     ジロリと見る。
     仲根、店内の階段の上を見上げて、
仲根  「やつらはどこにいるんだ」
池谷  「ライブは?のぞいたのか」
仲根  「まだやってないだろ」
池谷  「もうやってるよ。今夜から久しぶりにマキュウだ」
仲根  「道理で。どこも早い店仕舞いだ」
池谷  「うちはやってるぜ」
     缶ビールを二本、カウンターに滑らせる。
     仲根、缶ビールを押し返す。
仲根  「カンベン。今夜はうまいビールを呑むんだ」
池谷  「うちのはまずいってのかい」
仲根  「うまかった試しがあるかよ」
     仲根、缶ビールを掴み、振って、プシュッと開缶。
     吹き出す泡を振りまく。
裕司  「……」
池谷  「警察呼ぶぞ」
仲根  「呼べよ」
     裕司を連れて出口へ。
仲根  「あいつ現職の警官。暇な時店やってるんだ」
裕司  「ハードボイルドだな」
仲根  「外面はな」
     仲根、パッと振り向く。
     池谷が投げつけた玉子を掴み、逆に投げ返す。
     パシャッと、池谷の額で生玉子が割れる。
池谷  「ビール代払え、450円!玉子、60円!」
     笑う裕司。