TAKE IT EASY・EXTRA Story

scenario2 #13
第四稿(月刊シナリオ・シナリオ作家協会版)

ホテル・客室(朝)

     ベッドで眠れない裕司。
     ジッと思案している。
     青井の声が被る。
青井の声 「若い者はローカルでいいんです。メジャーなんで絵に描いたモチです」
     フツフツと怒りがこみあげる。


牧場

     建物の裏手。
     サンドバッグを叩いてトレーニングする仲根。


ホテル・客室

     身づくろいして出てゆく裕司。
     ある決意−−。


ホテル・廊下

     見張り役の圭吾が立っている。
     裕司が近づく。
     もともと気弱な圭吾、一人で裕司と対峙するとびびってしまう。
圭吾  「……お早う」
裕司  「(微笑)お早う」
圭吾  「(安心して)眠れた?ね、うまいメシくわせる店あるからさ、行こう、
      な、おごるよ。
      すげェんだ、そこのパン、鯨よりでけェの、アハハハ」
裕司  「ありがと」
     と手を差出す。
     握手する圭吾。
圭吾  「九時の汽車乗れば朝一の飛行機にゃ−−」
     思わず苦痛に顔を歪める。
     裕司、圭吾の手の骨が折れる程、握りしめる。
     すざましい握力。
裕司  「ちょっと質問な」