ユー・ガッタ・チャンス　Story
scenario #４

		[22]Hビル・応接室　　　　　インタビューのスタッフ（女性カメラマン、芸能記者の林）　　　　　が何やら雑談しながら待機している。間島　「すみません。もう暫くお待ち下さい」
		A 同クラブ・テラス夕子　「（ホットドッグをパクつきながら）日本のホットドッグって、　　　　　どうしてこんなにおいしいのかしら」裕司　「ホットドッグなんて、どこも変らないんじゃない」夕子　「ニューヨークのは最低」裕司　「ニューヨーク？」夕子　「ハイスクールからズッとニューヨークにいたの。四日前　　　　　まで」裕司　「じゃ、どうしてボクの事を」夕子　「合田さんから聞いた事あるの。（笑って）スーパースタ　　　　　ー？」裕司　「大げさな」夕子　「（指差して）余程のことがないと人前じゃ坐らないって」裕司　「じゃ、ニューヨークから合田さんに逢いに来たんだ」夕子　「（笑って）……」裕司　「用は？」夕子　「あの胸にもう一度……」
		[23]ウィンドサーフィンクラブ・外　　　　　バイクに乗る裕司。　　　　　見送る夕子。裕司　「悪いね」夕子　「ううん。仕事が第一よ、スーパースター」裕司　「合田さんに会ったら、連絡待ってるって」夕子　「アイシー。会えたらね」裕司　「じゃ」夕子　「あの、－－－」裕司　「ん！？」夕子　「……いや」　　　　　裕司、スタートする。　　　　　少し走って、停まる。　　　　　心細気に立っている夕子。大きな布袋を抱えて。裕司　「……」　　　　　海の陽炎。　　　　　めまいのするような熱気。　　　　　　　　×　　×　　× 　　　　　－－－イメージ。合田と夕子。　　　　　　　　×　　×　　× 裕司　「……（動けない）」　　　　　遠くに佇む、夕子。　　　　　裕司、Uターンして夕子の傍に戻る。裕司　「一緒に探しにゆこう、合田さん！！」
		[24]Hビル・スタジオ　　　　　電話に出ている間島。間島　「横浜！？横浜のどこ？ドリームランド？そんな所で何　　　　　してるんだ！」
		[25]横浜・ドリームランド　　　　　電話ボックスの裕司。外で待っている夕子。　　　　　近くの路上で、ストリートパフォーマンス集団「横浜遊戯　　　　　郎」が汗みどろの演技。　　　　　見物人は、まばら。
		[26]Hビル・応接室　　　　　受話器をもって、内線電話で盗聴している林。間島の声　「女！？どういう女だ」裕司の声　「へんな女なんだけどさ、放っとけないんだよ、危な　　　　　　　　っかしくて」間島の声　「じゃ俺もそっちへ行く」裕司の声　「いいよ。たまにはデイトぐらいさせてよ、どうせワン　　　　　　　　ナイトショーでおわるんだから」　　　　　林、女性カメラマンを促して出てゆく。
		[27]Hビル・スタジオ間島　「（電話）わかった。バンドのメンバーはもう帰したから。　　　　　それに取材キャンセルするから。明日は十時、羽田。　　　　　神戸公演は四時半。遅れるなよ。裕司ッ、今度こんなこ　　　　　としたら養老院の慰問に行かせるぞ」
		[28]横浜・ドリームランド　　　　　電話ボックスの裕司。裕司　「……OK。じゃ」　　　　　サングラスをかけ、外に出る。　　　　　夕子が脅えている。裕司　「？……（見回す）」　　　　　横浜遊戯郎のメンバーが取り囲んで道を譲らない。　　　　　アタマ格のジローが歩み寄る。ジロー　「スーパーアイドル民川裕司様が俺達に何の用です　　　　　　か？」裕司　「……どうしたの？」ジロー　「俺らのパフォーマンス盗みにきたんなら、ちゃんと挨　　　　　　拶しろよ」裕司　「どうも……でも興味ないですから。十年前なら別ですけ　　　　　ど……」　　　　　気色ばむ遊戯郎のメンバー。ジロー　「作られたスターが、いっちょまえの事言うじゃねえか。　　　　　　一人で何できるんだよ、手前！！」裕司　「そっちこそ一人で何ができるんだ。群れつくってゴッコし　　　　　てるだけじゃないか」　　　　　横浜遊戯郎のメンバーがいきりたつ。メンバーとこぜり　　　　　あい、つかみあい、殴り合い、裕司と夕子、混乱の中を　　　　　逃げる。追ってくる遊戯郎のメンバー達。　　　　　激しいロックが重なって、裕司達とメンバー達の追っか　　　　　けがストリートパフォーマンスに変わる。　　　　　逃げる裕司と夕子。　　　　　リズムにあわせて狂った様に踊りながら迫ってくる遊戯郎。　　　　　　　　×　　×　　× 　　　　　裕司達、別のパフォーマンスのグループにとびこむ。　　　　　ウロついていた林レポーター、ビックリする。　　　　　裕司と夕子の即興の踊り。　　　　　はねる、跳ぶ、名コンビである。　　　　　囲りのグループも裕司達を中心に踊る。　　　　　そこへ遊戯郎のメンバー達が入ってくる。二つのグル　　　　　ープの乱闘。　　　　　裕司達、再び逃げる。　　　　　林と女性カメラマン、混乱の中で懸命にシャッターを押　　　　　しまくる。　　　　　　　　×　　×　　× 　　　　　女性カメラマン、公衆電話にとびこむ。女性カメラマン　「ア、もしもし、警察ですか、こちら横浜ドリー　　　　　　　　　　　ムランドですけど。今、乱闘やってて……」
		[29]近くの路　　　　　パトカー数台、猛スピード。

		[22]Hビル・応接室　　　　　インタビューのスタッフ（女性カメラマン、芸能記者の林）　　　　　が何やら雑談しながら待機している。間島　「すみません。もう暫くお待ち下さい」
		A 同クラブ・テラス夕子　「（ホットドッグをパクつきながら）日本のホットドッグって、　　　　　どうしてこんなにおいしいのかしら」裕司　「ホットドッグなんて、どこも変らないんじゃない」夕子　「ニューヨークのは最低」裕司　「ニューヨーク？」夕子　「ハイスクールからズッとニューヨークにいたの。四日前　　　　　まで」裕司　「じゃ、どうしてボクの事を」夕子　「合田さんから聞いた事あるの。（笑って）スーパースタ　　　　　ー？」裕司　「大げさな」夕子　「（指差して）余程のことがないと人前じゃ坐らないって」裕司　「じゃ、ニューヨークから合田さんに逢いに来たんだ」夕子　「（笑って）……」裕司　「用は？」夕子　「あの胸にもう一度……」
		[23]ウィンドサーフィンクラブ・外　　　　　バイクに乗る裕司。　　　　　見送る夕子。裕司　「悪いね」夕子　「ううん。仕事が第一よ、スーパースター」裕司　「合田さんに会ったら、連絡待ってるって」夕子　「アイシー。会えたらね」裕司　「じゃ」夕子　「あの、－－－」裕司　「ん！？」夕子　「……いや」　　　　　裕司、スタートする。　　　　　少し走って、停まる。　　　　　心細気に立っている夕子。大きな布袋を抱えて。裕司　「……」　　　　　海の陽炎。　　　　　めまいのするような熱気。　　　　　　　　×　　×　　× 　　　　　－－－イメージ。合田と夕子。　　　　　　　　×　　×　　× 裕司　「……（動けない）」　　　　　遠くに佇む、夕子。　　　　　裕司、Uターンして夕子の傍に戻る。裕司　「一緒に探しにゆこう、合田さん！！」
		[24]Hビル・スタジオ　　　　　電話に出ている間島。間島　「横浜！？横浜のどこ？ドリームランド？そんな所で何　　　　　してるんだ！」
		[25]横浜・ドリームランド　　　　　電話ボックスの裕司。外で待っている夕子。　　　　　近くの路上で、ストリートパフォーマンス集団「横浜遊戯　　　　　郎」が汗みどろの演技。　　　　　見物人は、まばら。
		[26]Hビル・応接室　　　　　受話器をもって、内線電話で盗聴している林。間島の声　「女！？どういう女だ」裕司の声　「へんな女なんだけどさ、放っとけないんだよ、危な　　　　　　　　っかしくて」間島の声　「じゃ俺もそっちへ行く」裕司の声　「いいよ。たまにはデイトぐらいさせてよ、どうせワン　　　　　　　　ナイトショーでおわるんだから」　　　　　林、女性カメラマンを促して出てゆく。
		[27]Hビル・スタジオ間島　「（電話）わかった。バンドのメンバーはもう帰したから。　　　　　それに取材キャンセルするから。明日は十時、羽田。　　　　　神戸公演は四時半。遅れるなよ。裕司ッ、今度こんなこ　　　　　としたら養老院の慰問に行かせるぞ」
		[28]横浜・ドリームランド　　　　　電話ボックスの裕司。裕司　「……OK。じゃ」　　　　　サングラスをかけ、外に出る。　　　　　夕子が脅えている。裕司　「？……（見回す）」　　　　　横浜遊戯郎のメンバーが取り囲んで道を譲らない。　　　　　アタマ格のジローが歩み寄る。ジロー　「スーパーアイドル民川裕司様が俺達に何の用です　　　　　　か？」裕司　「……どうしたの？」ジロー　「俺らのパフォーマンス盗みにきたんなら、ちゃんと挨　　　　　　拶しろよ」裕司　「どうも……でも興味ないですから。十年前なら別ですけ　　　　　ど……」　　　　　気色ばむ遊戯郎のメンバー。ジロー　「作られたスターが、いっちょまえの事言うじゃねえか。　　　　　　一人で何できるんだよ、手前！！」裕司　「そっちこそ一人で何ができるんだ。群れつくってゴッコし　　　　　てるだけじゃないか」　　　　　横浜遊戯郎のメンバーがいきりたつ。メンバーとこぜり　　　　　あい、つかみあい、殴り合い、裕司と夕子、混乱の中を　　　　　逃げる。追ってくる遊戯郎のメンバー達。　　　　　激しいロックが重なって、裕司達とメンバー達の追っか　　　　　けがストリートパフォーマンスに変わる。　　　　　逃げる裕司と夕子。　　　　　リズムにあわせて狂った様に踊りながら迫ってくる遊戯郎。　　　　　　　　×　　×　　× 　　　　　裕司達、別のパフォーマンスのグループにとびこむ。　　　　　ウロついていた林レポーター、ビックリする。　　　　　裕司と夕子の即興の踊り。　　　　　はねる、跳ぶ、名コンビである。　　　　　囲りのグループも裕司達を中心に踊る。　　　　　そこへ遊戯郎のメンバー達が入ってくる。二つのグル　　　　　ープの乱闘。　　　　　裕司達、再び逃げる。　　　　　林と女性カメラマン、混乱の中で懸命にシャッターを押　　　　　しまくる。　　　　　　　　×　　×　　× 　　　　　女性カメラマン、公衆電話にとびこむ。女性カメラマン　「ア、もしもし、警察ですか、こちら横浜ドリー　　　　　　　　　　　ムランドですけど。今、乱闘やってて……」
		[29]近くの路　　　　　パトカー数台、猛スピード。